PMF(プロダクト・マーケット・フィット)とは?:マーケティング基本の『き』
PMFはビジネスにおける理想の状態
ビジネスにおける理想の状態と言われる『PMF(プロダクト・マーケット・フィット:Product Market Fit の略称)』というコトバを知っていますか?
『PMF』はNetscape Navigatorの開発などで知られるアメリカ合衆国のソフトウェア開発者、投資家マーク・ローウェル・アンドリーセンが広めた概念と言われ、企業が提供している商品・サービスが、顧客の課題を解決できる適切な市場で受け入れられている状態を指します。企業の成長は、この状態を目指すことが必須であり、そうでない商品・サービスは、どんなに規模を拡大しても淘汰されてしまうことになります。
目次
ではPMFのためには、企業はどのように振舞えばよいのでしょうか。
PSF(プロブレム・ソリューション・フィット:Problem Solution Fit)
PMFに似た概念として、『PSF(プロブレム・ソリューション・フィット:Problem Solution Fit)』があります。
PSFは、顧客がどのような問題を抱え、それを解決するのにどういった方法が考えられるのか?簡単に言えば『問題解決に最適な方法』を提供するという考え方です。
PMFもPSFも、まずは顧客の課題やニーズを理解することと、自社商品・サービスの強みを理解することがポイントです。PMFは『商品・サービス』と『市場』のマッチング(市場に求められているのか)、PSFは「顧客の課題・ニーズ」と「提供する価値」のマッチング(課題・ニーズの解決策になっているのか)。それぞれ視点が違うものであり、まずPMFをもとに考え、その指標としてPSFを考慮する(より顧客ニーズにマッチしているか?を考える)。という使い分けが良いのではないでしょうか。
- PMF(プロダクト・マーケット・フィット):
⇒ 企業が提供している商品・サービスが、顧客の課題を解決できる適切な市場で受け入れられている状態 - PSF(プロブレム・ソリューション・フィット):
⇒ 商品・サービスが顧客の課題・ニーズ解決の最適な方法として提供されている状態
達成のためのステップ
次に、具体的なステップを考えてみましょう。
課題・ニーズの理解:
ステップ1.その課題・ニーズを持っているのはなぜか?
ステップ2.その課題・ニーズを持っている人はどこにいるのか(どの媒体で接触できるのか)?
ステップ3.その課題・ニーズを持っているのは、どのような属性の人か?
自社商品・サービスの強み:
ステップ1.他社商品・サービスで代替えできないか?
ステップ2.課題・ニーズの解決策になっているか?
ステップ3.緊急性・必要性は十分か?
などを判断基準とし、実際の訴求を構成します。
それぞれ具体的に考えてみましょう。
まずは課題・ニーズの理解
ステップ1:その課題・ニーズを持っているのはなぜか?
ニーズを深掘りすることで、ニーズそのものを明確化し、理解を深めます。「それはなぜ?」「具体的には?」と繰り返すことで、より狭く・より具体的な理解が可能になります。
ステップ2:その課題・ニーズを持っている人はどこにいるのか(どの媒体で接触できるのか)?
普段顧客がどのような媒体を使っているのか?(利用媒体)を理解することは、プロモーション媒体選びの重要な判断基準となります。ステップ1で顧客像を明確にしておくことで媒体のズレを防ぎ、費用対効果・訴求効果を高めることにつながります。
ステップ3:その課題・ニーズを持っているのは、どのような属性の人か?
ニーズの深掘り・媒体の確定のあと、ようやく顧客の属性をチェックします。状況によっては、年齢・性別などのいわゆる「デモグラフィック要素による属性分類」は必要としない場合もあり得ます。同じデモグラフィック要素であっても「課題・ニーズ」や「接触できる媒体(利用媒体)」は様々です。あくまで「課題・ニーズ」「接触媒体」を先に明確にし、興味関心など、「行動のもととなる属性」を選ぶことが必須となります。
自社商品・サービスの強みを理解する
ステップ1:他社商品・サービスで代替えできないか?
情報があふれ、簡単にネット検索ができるようになった現代、「購入・問合せ」などの行動の前には、同業他社との『比較』のステップを挟むことが基本となっています。比較のステップで重要なのは、まず「比較するに足りる十分な情報があること」と「顧客が優位と判断できる情報が含まれていること」です。特に後者は「企業が伝えたい情報」「企業が他社より勝っていると考えている情報」ではないことがポイントとなります。
ステップ2:課題・ニーズの解決策になっているか?
ステップ1.で確認した自社商品・サービスの「独自の強み」が顧客の課題解決につながっているか?ニーズを満たしているか?を考えます。ここでもさらに一歩踏み込んで「なぜそう言えるのか」「裏付けはあるのか」なども考えます。
ステップ1と合わせて考えるべきは、決して『企業が発信したい強み・特徴』を伝えるのではない
ということです。あくまで顧客目線で・顧客の立場で考えることが、必須となります。
ステップ3:緊急性・必要性は十分か?
顧客は、商品・サービスが十分満足できる内容であっても購入・問合せを行なうとは限りません。
より多くの顧客に行動してもらうためには、緊急性・必要性を十分高め、「今」行動してもらうための「仕組み」が必要となります。例えば具体的には「数量や期間の限定」「割引・値引き・増量などメリットの提供」「時短の仕組み・テマ削減・取引条件などデメリットの解消」などのオファーを添えることを検討してみましょう。ステップ3の追加オファーは、事前に十分顧客の持つ課題・ニーズや顧客像を理解しておくことではじめて、十分な効果を得ることができます。順序に沿って進めてみましょう。
まずは顧客の課題・ニーズから
このようにPMFは、まず想定される顧客の課題・ニーズを想定することからはじめるとうまく進められます。コトバは「プロダクト(商品・サービス)」「マーケット(市場・顧客)」「フィット(マッチングしている状態)」の順序ですが、「プロダクト(商品・サービス)」ありきで進めると、そこに合う顧客像を探すことになり、市場が狭くなったり・マッチングできる市場が見つからなかったりしますので注意が必要です。
さらに細かく見てみると、媒体ごと・購入までのステップごとに『次へ進むための必要な情報』は異なります。『M(マーケット:顧客の課題・ニーズ)』を『ステップごとの顧客の気持ち』と捉え、各ステップごとにどのような情報を・どのような表現で伝えることが『フィット』することになるのか・次のステップに進んでもらうことにつながるのか?を考えることがPMFの状態につながること・ビジネスを成功させることにつながります。
まとめ:自分はどうやっているか?なぜそうしたのか?を考える
結局は、PMF(プロダクト・マーケット・フィット)/PSF(プロブレム・ソリューション・フィット)のためには、まず顧客の行動を想像してみることがとても重要です。例えば自分がその商品を買う立場になった場合にどんな行動をとるか?をリアルにイメージするには、普段から自分の行動を客観的に振り返る・俯瞰で見る習慣をつけることが、とても良い「練習」になります。
- 自分が検索をした場面
- 自分がその広告をあえてクリックした場面
- リンク先のランディングページを見た場面
- リンク先のページを読んでいる場面
- 資料請求や申し込みを行った場面
あなたは、なぜ・あえてその行動をとったのか?じっくり考えてみることからはじめてみましょう。
私たちアーバンプロジェクトは、様々なクラアインと様の様々な広告を扱っています。
これは、「様々な顧客の行動を想像していること」と同じ意味です。
お客様(広告主様)のビジネスにおける理想の状態PMF・PSFのための創造
この記事を書いたライター
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