【再確認】PDCAとは?|マーケティング基本の『き』
ビジネスの有名なフレームワークのひとつに『PDCA』があります。PDCA(PDCAサイクル)は「PDCAを回す(繰り返す)」などの表現で使われ、良い結果にたどり着くためのフレームワークのひとつとして、皆さんも一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。
目次
PDCAとは?
まずは、もう一度PDCAとは何か?・PDCAの内容について確認してみましょう。
すでに理解している!何を今さら!と感じるベテラン ビジネスピープルの皆さんも、確認の意味も含め、もう一度振り返ってください。
PDCAは、ご存じのように『P(PLAN:計画)』⇒『D(DO:実行)』⇒『C(CHECK:評価・検証)』⇒『A(ACTION:改善)』の4つのステップからできています。最後の『A(ACT・ACTION:改善)』が完了したら、また次の『P(PLAN:計画)』がはじまり…これを繰り返すことで、より高い目標へ進む…
…というのが大まかな構成・使い方です。
アメリカの統計学者ウィリアム・エドワーズ・デミングによって提唱されたという説が一般的で、品質管理の国際基準となっているISO9001、ISO14001などもPDCAの手法が取り入れられています。
各ステップを、もう少し詳しく見ていきましょう。
P(PLAN:計画)
『PLAN(計画)』のステップは、
- 目標の設定
- 目標を達成するための行動(ACT・ACTIONの内容/計画)
を意味し、具体的には
- 誰が(WHO)
- いつ・いつまでに(WHEN)
- どこで(WHERE)
- 何を(WHAT)
- なぜ(WHY)
- どのように(HOW)
- いくらで(HOW MUCH)
のいわゆる『5W2H』を検討します。以降のすべての基になるものですので、数値を使うなど、具体的に設定することが重要です。
D(DO:実行)
『DO(実行)』では、Pで計画・立案した目標/実行計画に基づいた行動を行います。
単に行動を行うのではなく、あくまでPで設定した数値目標に準じて(数値目標を念頭に)行動を行うことになります。
C(CHECK:評価・検証)
『CHECK(評価・検証)』では、実行したDがPの設定(数値目標)通りかどうかの評価・検証を行います。
Pで明確に・数値目標を設定していたこそ明確な判断が可能になります。
うまくいった場合の成功要因分析はもちろん、うまくいかなかった部分も掘り下げ、具体的に・精度高く評価することが求められます。
A(ACT・ACTION(改善)
『ACT・ACTION(改善)』のステップでは、ひとつ前の「C」で明らかにした各項目を具体的な改善点に落とし込みます。各項目を
- K(Keep:今後も続けること):良かったこと
- P(Problem:今後はやめること):悪かったこと
- T(Try:新たに実践すること):試してみること
の3つの視点で分類し、検証結果/成功・失敗の原因についての改善点を考えます。
前述のとおり、ここで得た情報を次のPに反映させ、PDCAを繰り返します。
PDCAのメリット・デメリット
さて、ここでPDCAのメリット・デメリットなどについて考えてみましょう。メリット・デメリットの両方を理解することがうまく使いこなすことにつながるのは言うまでもありません。
PDCAの主なメリット
・目標・判断基準が明確になる
Pで決めた明確な目標・行動基準に基づいて以降のステップを進めることができます。逆に言えば、Pをいかに明確に設定するか?ですべてが決まる とも言えます。
・具体的な行動ができる
4つのステップそれぞれで何をすれば良いかが分かりやすく、具体的な行動に落とし込みやすい構成になっています。また、PDCAを繰り返すことで「より高い目標」に向かって進むことができます。
PDCAのデメリット
・設定があいまいになりがち
前述のとおりPDCAの成功の秘訣は『Pをいかに具体的に設定するか』にかかっているとも言えます。しかし、PDCAを「多く繰り返すこと」や「早く回すこと」に気がとられ過ぎて、『(本来求められる)Pで具体的な行動を計画すること』が十分にできていないまま、次のDのステップに移ってしまう状況を目にすることも多いように感じます。繰り返しますが、Pで十分に目標設定ができていないと、CやAで正しい判断・課題抽出ができず、結局ズルズルと次のPDCAへ進むことになり、いつまでたっても成功に至ることができません。
また、「PDCAを回すこと」自体が目的になってしまうケースも多いようです。
Pで十分具体的な行動目標に落とし込めていないとは、なんとなくD以下を行ってしまうことに繋がり、「手段の目的化(PDCAを回すこと自体が目的になること)」が起こる可能性が高くなります。
・過去の実績がベースになる
PDCAは何度もサイクルを繰り返すことが前提になっています(1回のPDCAで「最終目標」を目指すためのものではありません)。
『個々のP』は、その直前のC(Dの結果の検証結果)やその前のA(Cを基にした改善策)…という具合に、それぞれ『過去(ひとつ手前)』の項目が基準になっていますし、「新しいPDCA」は、ひとつ前の「PDCA」が基準になって進んで行きます。『PDCAを繰り返す』ということは、必然的に「ひとつ前のPDCAの結果をもとに新しいPDCAを運用する」ということを意味します。(長期的な視点で)より早くビジネスを成長させるためには、PDCAひとつひとつを高速で回すことに加え、『Aのステップでいかに新しい視点からの改善策を出せるか?』や『Pのステップで、それをいかに行動しやすい計画に・未来の目標をもとにした計画に落とし込めるか?』がポイントとも言えます。
PDCAに変わる概念OODAループ
PDCAに代わる概念として『OODAループ(ウーダループ)』が注目されています。
OODAループは、見る(Observe:観察)・分かる(Orient:状況判断・方向づけ)・決める(Decide:意思決定)・動く(Act:実行)の4つの頭文字をとったフレームワークです。特徴的なのは最初のO(観察)のステップで、PDCAに比べスピーディかつフレキシブルに対応できるのがポイントと言われています。
もちろん各ステップの意味するところは違うのですが、個人的には『PDCAのループを大小いくつかのPDCAを組合わせて構成する』ことで機能としては、ほぼ近いものになるような気がします。ネットで検索すると「PDCAは古い」「これからはOODAループだ!」など、PDCAよりもOODAループを称賛する記事も多いようですが、少し大きな視点で考えてみるのも良いのではないでしょうか?PDCAもOODAループも結局単なる「フレームワーク」に過ぎませんので、定義を知ることよりも(もちろん知ることを否定するのではありませんが)、目的に応じて柔軟に活用できることが大切だと感じます。
まとめ・効果的なPDCAの進め方
PDCAを効果的に運用するには、以下のポイントが重要です。
- ひとつだけではなく「緊急度」と「重要度(最終目標への影響度)」の二軸で大小いくつかのPDCAを組み合わせて構成する
- それぞれのPDCAは、同時にスタートしたり同じ時間をかけて運用したりの必要がない(それぞれ違ったタイミングでスタート運用して構わない)
- Pでの目標設定は可能な限り具体的・数値目標で設定する
- DはPの計画通りに実行する・無理のない計画にする(Dで無理なく実行できる計画を立てる・目標通りに進まない場合はその時点で再度「P」を検討する)
- かかわるすべての部署が同じ基準で判断・行動する(俗人的な判断・行動を避ける)
私たちアーバンプロジェクトは、総合広告代理店として、様々な視点でとらえたPDCAを回し、お客様の求める より良い最終ゴールを目指し行動します。
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