2020年最新 初心者向け 動画性能で選ぶミラーレス一眼カメラ

近年「ミラーレス一眼カメラ」が注目を浴び、各メーカーも力を入れて新製品を続々発表しています。
動画性能も進化続けている中で、今回はある程度本気でミラーレス一眼カメラで動画を撮って作品を作りたいという方にお勧めできる機種を紹介していきます。

はじめに

私は映像制作に携わりまだ3年半ですが、この3年半の間にも目まぐるしく技術の革新が起こっており、それはミラーレス一眼カメラ業界においても同じことが言えます。

独学でAfterEffects・カメラ機材について勉強し、会社にも機材を購入して頂き、自分でも色々調べカメラを購入し使えば使うほど,知れば知るほど奥が深いカメラの世界。ここで紹介できることは詳しいスペックの紹介とか専門的なことではなく、自身の経験を踏まえて(今回紹介するカメラはいずれも所有しておりました)これからミラーレス一眼カメラで動画を撮影してみたい個人の方や、映像制作部をこれから立ち上げる方の参考になれば幸いです。

1:Panasonic LUMIX S1

2019年に発売されたPanasonic初のフルサイズミラーレス一眼カメラ。

オススメポイント
1:圧倒的手振れ補正機能
2:F4通しのレンズキットが秀逸
3:有償のファームウェアで4:2:2の10bitの動画撮影が可能

オススメポイントとして上記3つが上げられると思います。手振れ補正についてはボディ内とレンズを含めると中望遠の焦点距離でもピタッと止まってくれます。ちょっとした物撮り動画やゆっくり歩く程度であれば三脚やジンバルが必要ないぐらい強力に効きます。
下の映像は私が昨年奈良に行った時に作ったサンプル映像ですが、全て手持ちです。また通常キットレンズは映像制作にはあまり向かいないものが多いのですが、LUMIXS1の場合はいわゆる小三元の24-105mmのF4通しのレンズがキットの場合ついてくるのもポイントかと思います。後は有償ファームウェアで4:2:2の10bitの収録が可能になります。階調が豊かでカラーグレーディング(後から編集ソフトで色編集を行い、動画の色味を表現したい色に変更する工程)をすることができます。

https://youtu.be/2TZXKxX1zO8

オススメできないポイント
1:AFが遅い
2:ボディが重い

Panasonic機でよく言われるのがAFの精度・スピードが遅い。ですが使った感じそこまで遅いとは思いませんでした(あくまで筆者使用感です)。個人的な大きなマイナス点はボディの重さでしょう。ボディ1,017g(バッテリー、SDカード1枚込み)+キットレンズ680g=1697g 約1.7キロ。さらにジンバルRONIN-Sが1,850gなので載せた場合は約3.6キロ程度になります。業務で使う場合は割り切って使えますが、個人でふらっと遠出して作品用に丸一日撮影するとなるとなかなかの重さです。この奈良の動画では丸一日首にぶら下げていたのですが、翌日首痛になりました。そこは性能と引き換えになりますね。

LUMIXS1についてはさらに動画機能が強化されているLUMIXS1Hという機種もあります。

 

2:SONY α7III

ミラーレス一眼カメラ業界を牽引するSONY α7III

オススメポイント
1:高精度のAF
2:写真も動画も両方ともにバランスが良い性能
3:サードパーティーのレンズが豊富

2018年発売でもう2年前の機種なのですが、このα7IIIはとても人気の機種です(筆者も現在こちらを使用しています)。動画を撮る際はマニュアルでピントを合わせることが基本ですが、場合によってはAFも使います。また動画撮影の時に同時に写真も撮る必要があるケースも業務上多いかと思いますので、その際に素早く正確にピントを合わせてくれるAFは重宝します。動画性能は先に紹介しましたPanasonicS1,S1Hに劣りますが、4K30PやFHD120Pのスローモーションも撮影できます。サードパーティーのレンズも豊富で、マウントアダプターを使えばキヤノン・ニコン・ライカのレンズも使えます。何より私が思う一番のオススメポイントは使用している人の多い機種は設定や撮影の仕方などチュートリアルがネット上にたくさんあるということだと思います。こちらも作例掲載しております。弊社の本社ビル一階にあるレストラン「ポルトポルテ」の夏メニューのスチール撮影の様子をα7IIIで撮影し編集しました。

https://youtu.be/KXZQmB9Otm4

オススメできないポイント
1:4:2:0の8bitの高圧縮なのでカラーグレーディングしにくい
2:ユーザーインターフェース(UI)が使いずらい

log撮影というカラーグレーディングをすることを前提とした撮影モードは搭載しているのですが、8bitの高圧縮で映像の階調が256段階に制限されます。LUMIXS1の有償ファームウェアでは10bitでの撮影が可能で、10bitの場合の階調は1,024になります。要はそれだけ色の情報が残っているということで、情報が残っている方が後から色編集する際に自由が利くということになります(そもそも10bit収録できるミラーレスはまだまだ少ないのですが)。UIについてはこれは使用者のフィーリングによるかと思いますが、メニュー画面の項目が多く、必要な項目にたどり着くのに時間がかかります。こちらの問題はカスタマイズができるので慣れてくれば自分の使いやすいようにカスタマイズボタンに項目を自由に設定できるので、ユーザーからするとそれほど気にならないかもしれません。

α7IIIについてもより動画に特化したα7SIIIの発売が7/29に発表されますね、楽しみです。

3:BlackMagicPoketCinemaCamera6K

6Kも撮れるポケットシネマカメラ

オススメポイント
1:高解像度の6K映像が撮れる
2:BlackMagicRaw(以下Braw)で動画が撮れる
3:有償版の動画編集ソフト「DavincResolve」がついてくる

上記のPanasonin,SONYに比べ、BlackMagicdesignというメーカーは映像関係以外の方では知っている人は少ないかもしれません。オーストラリアに本社を置く映像機器メーカーです。こちらのカメラのオススメポイントは6Kの解像度で動画がとれることはその名の通りもちろんのこと、Brawで撮れることが最大のメリットです。写真でいうRaw画像(ホワイトバランス・ISO感度など後から色味を調整できる)の動画版でかつ、Brawというオリジナルの規格でファイルサイズを可能な限り圧縮しているフォーマットです。LUMIXS1やα7IIIでもカラーグレーディングは可能ですが、色の情報量がRawの方が多いので、後からできる色調整の自由度が圧倒的に違います。後は有償の編集ソフトももれなくついてきます。

オススメできないポイント
1:バッテリーの持ちがわるい
2:編集PCのスペックが求められる

バッテリーは1本あたり30~40分程度しか持ちません。これが最大のデメリットになるかと思います。ですのでより大容量の外部バッテリーは必須になります。またBrawが軽くなったとはいえそれなりにPCのスペックが求められます。

まとめ

いかがでしょうか?今回は筆者が使用した経験を踏まえて、2020年ミラーレス一眼カメラで動画を撮影したい初心者向けにお勧め機種を紹介させて頂きました。
簡単にまとめると

・写真も動画も両方やりたい→α7III
・手ブレ補正を効かせて、ヌルヌルした動画が撮りたい→LUMIXS1
・動画の色味をより追究したい→BMPCC6K

になるかと思います。
初心者向けとしましたが、上記機種の価格はいずれも安いものではありません(ボディだけで20~35万程度)しかし初心者こそ最初に高スペックを使った方がいい映像が撮れるし、結果上達が早くなると思います。2020年はこの他にもキヤノンからEOSR5、R6も発売予定でSONYからも上記記載しましたがα7SIIIもリリースされ、ミラーレス一眼カメラ業界は群雄割拠の状態です。こちらの記事が今から動画をやってみたいという方にとって有益なものになれば幸いです。

次回はもう少し予算を抑えた機種の紹介や、その他撮影に必要な機材についても紹介できればと思います。

 

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