マーケティングとは?簡単に言うと?ひとことで言うと?
『マーケティング』とは一体何でしょうか?
『マーケティング』とは、簡単に言うと・ひとことで言うと、どのように表現されるでしょうか?
『マーケティング』という言葉は、さまざまな意味で使われます。『市場調査』や『広告』、『販促』など、言葉のさす意味が人によって違うので、結局どれもしっくりきません。
2024年1月25日、日本マーケティング協会は、34年振りにマーケティングの定義を刷新したと発表しました。
マーケティングの定義
(マーケティングとは)顧客や社会と共に価値を創造し、その価値を広く浸透させることによって、ステークホルダーとの関係性を醸成し、より豊かで持続可能な社会を実現するための構想でありプロセスである。
日本マーケティング協会 2024年
注1)主体は企業のみならず、個人や非営利組織等がなり得る。
注2)関係性の醸成には、新たな価値創造のプロセスも含まれている。
注3)構想にはイニシアティブがイメージされており、戦略・仕組み・活動を含んでいる。
今回の定義刷新の特徴は「企業と顧客の価値共創」「ステークホルダーとの関係性の構築」「社会課題の解決」「持続的成長」などが挙げられており、日本独自の定義として制定されたものです。
この「定義」をふまえ、私たちはどのように日々の業務に取り組めばよいのでしょうか?
「定義」が変わったことで、取り組み・スタンスは変得る必要があるのでしょうか?
「マーケティングは抽象的でよく分からない」「マーケティング業務とは何?」という声を多く耳にします。しかし、ちょっとだけ視点を変えてみてください。マーケティングは、実は普段の生活の中にもある、とても身近なものなのです(少なくとも個人的にはそう思っています)。
目次
マーケティングとは?簡単に言うと?ひとことで言うと?
マーケティングの担当部署・含まれる業務
まずは企業において「マーケティング担当」と言われる人や部署がどのような業務を行っているか考えてみましょう。
実際に担当され、行われている業務から「マーケティング」が何を指すのか考えてみます。
あちこちの企業を見てみると、実際のマーケティング担当者の所属や割り当てられた業務も業種や企業ごとにさまざまなことが分かります。広報業務と兼任だったり、広告・プロモーションセクションの中にあったり、総務部の中にあったり…少人数のところだと、社長さんが担当されていたり、そもそも担当するための部署がない場合も多いかも知れません。
このように担当部署や業務が複数にわたっていたり、明確になっていないことが、マーケティングの正体を分かりにくくしている原因の一つかも知れません。
マーケティングの専門家・専門機関の意見は?
アメリカ合衆国の経営学者で『近代マーケティングの父』『マーケティングの神様』とも呼ばれるフィリップ・コトラー氏は、マーケティングについて、以下のように述べています。
マーケティングは生産物を処分するための技術などではなく、本物の顧客価値を生み出すための活動で、顧客の生活向上を支援する概念でもある
マーケティングの役割とは、たえず変化する人々のニーズを収益機会に転化することだ
では、マーケティングの専門機関ではどうでしょう。
アメリカ・マーケティング協会では、
マーケティングとは、顧客、依頼人、パートナー、社会全体にとって価値のある提供物を創造・伝達・配達・交換するための活動であり、一連の制度、そしてプロセスである。
日本マーケティング協会では、前述の通り
(マーケティングとは)顧客や社会と共に価値を創造し、その価値を広く浸透させることによって、ステークホルダーとの関係性を醸成し、より豊かで持続可能な社会を実現するための構想でありプロセスである。
と、それぞれひとことで定義されています。
このようにコトバとしての定義は学者・団体によってさまざまですが、共通しているのは『販売のように直接売るという行動ではなく、売れている状態を作り出すためのプロセス』ということで大筋問題ないようです。実際の行動の種類・中身ではなく、売れている状態を作り出す『ための』というように、目的がポイントのようですので、『市場調査』や『広告』、『販促』など、さまざまな業務が含まれる…というのが本質でしょう。
『企業・案件によって具体的な中身が変わるもの』ということは、『企業・案件によって中身を変えて良いもの』とも捉えることができます。例えばBtoBの場合、自社が、関わる全てのセクション・すべての人が、あるクライアント様のある案件で商品・サービスが売れている状態を作り出すためにとる行動は、すべてマーケティングに含まれる。 と考えられますし、BtoCの場合も同様です。このように『目的』ベースで考えると、マーケティングは、とても広い範囲の概念になります。
具体的に考えてみましょう
もう少し具体的に考えてみましょう。
案件に直接携わるセクション・人、『営業担当者』『販促施策・プロモーション担当者』が行う業務は、すべてマーケティングの範疇に含まれている。 というのは分かりやすいでしょう。
さらに販促施策を分解して考えると、企画立案・関係各所への手配・全体の方向付けや実践だけでなく、関連する内外の物理的なツール・手段に携わる部分も当然マーケティングに含まれることになります。
ひいてはクライアント様やユーザーからの連絡に直接的:・間接敵に受け答えを担当するセクションや人、それらを支えるセクションや人なども、程度の違いはあれ、マーケティングを行っている。結局『企業の活動はすべて、BtoB・BtoCにかかわらずマーケティングだ』『企業がベクトルを合わせることが、イコールマーケティングだ』といえるのではないでしょうか。
手段と目的を考える
ドリルが欲しいのはなぜ?
マーケティングに関して『ドリルを売るには穴を売れ』という有名なコトバがあります(書籍も出版されています)。簡単に言うと、ドリルを買いに来たお客様は、『ドリルという物が欲しい』のではなく『穴があけたい』訳なので、ドリルそのものの性能・機能だけではなく、どんな穴があくのか(どんな結果が得られるのか)を正しく伝えることが大切。という意味です。
ドリルは、穴をあけるための『ツール』であり、穴があいた という結果を得るための『ツール』です。例えば、回転力の強いドリルなら、硬いものにも穴をあけることができますし、重量の軽いドリルなら持ち運びに便利だったり子供や女性でも使いやすかったりというメリットがあります。状況によってはドリルではなく、キリの方が目指す穴をあけられるかも知れません。本格的に使いたいのか、夏休みの工作や簡単なDIY的な使い方なのかで、ドリルに求めるものは変わってきます。ホームセンターのドリル売り場でも、ドリルの性能・機能に加え、このような項目も伝えると、よりユーザーに選ばれやすいのかも知れません。
市場を『ニーズ』で細分化しましょう
こういった一歩踏み込んだニーズ・目的を理解するには、市場をニーズで分割する方法が有効です。ひとつのドリルで『本格的な用途に使いたい』というニーズと『小学生が簡単に使える』というニーズ両方を十分に満たすのは、かなり難しいハズです。
そうではなく、市場をニーズで細分化し、個々の範囲内でより求められるニーズにマッチした商品を提供することを考える方がそれぞれのユーザーにマッチした・買ってもらいやすい状況を作り出せるという訳です。
例えば、本格志向のユーザーには、回転力に加え、十分な耐久性も必要でしょうし、バッテリーの持ち時間も重要かも知れません。対して小学生用では、より軽く・持ち手の部分が小さな手でも持ちやすい物を提供するのが良いでしょう。本格派ユーザーで『メリット』『ウリ』となっていた強烈な回転力は、かえって使いにくさにつながるかも知れません。
このように、まず『誰(どんなニーズを持っている人)にとって?』の視点を明確にすることは、明確な『なぜ(いいと言えるのか)?』につながります。市場をニーズで区切り、個々のニーズを狭く考えることが、商品・サービスが買われる・選ばれる強烈な理由につながるのです。(この意味で、年齢・性別などのデモグラ情報のみでの施策立案は効果につながりにくいものになりがちです。)
最適なマーケティング施策を選びましょう
近年マーケティング、特にネット広告を中心とした業界では、毎日のように新しい手法が登場しています。インターネットで検索してみると、多くの情報がヒットして実際にどれが良いのか迷ってしまう程です。代理店やサプライヤーからの営業メールなどのアプローチもあるでしょう。
このような状況の中、『最適なマーケティング施策』『目的にマッチしたマーケティング』を考えたとき、私たちはどのように判断・行動すればよいのでしょうか?ほぼすべての手法が『自社が一番』と表現している中、何を基準に選べばよいのでしょうか?そして、逆に自分の提案を『最適なマーケティング施策』『目的にマッチしたマーケティング』として選んでもらうには???
まずは具体的なゴール設定を
最善ではなく最適を選ぶために
自社でマーケティングを行う場合も外部のエージェンシーを使う場合でも、もちろん自分が提案するときも、まず考えるべきは『どんな結果を得たいか?』です。さまざまな手法が登場していますが、最終的なゴールの姿・状態を具体的にイメージし、イメージした姿・状態にたどり着かないのであれば、良いマーケティング手法とは言えません。他社の最適は、必ずしも自社の最適だとは限らないのです。最高ではなく・最適を選ぶのです。
例えば、Webサイトで問い合わせを増やしたいと考えたときも、ただ問い合わせ件数が増えればよいのではなく(もちろん増えないよりはずっといいのですが)、どのようなニーズを持った、どのような属性のユーザーが、いつぐらいまでに、どれくらい…と理想の状態を『具体的に』考えてみると良いでしょう。具体的なゴール設定が具体的な判断につながり、具体的な行動が可能になります。
まず理想の状態を明確にイメージすることは、ツール・手段が自社にとって最適かどうかを判断する唯一の基準になります。効果があるとウワサの広告手法・販売手法も、理想の状態にたどり着けるのか?で判断するのです。まずは自社のゴールを設定することからはじめましょう。すべてはゴールにたどり着くための手段なのですから。
ゴールの設定は、もちろん最初から明確に、とはいないでしょうから、『とりあえず決めておいてスタートし、問題があれば途中で軌道修正する』方法でも構いません。一旦理想のゴールのイメージを膨らませて、具体的な姿を作り上げてみましょう。
結局マーケティングとは?
『自社なりの定義』を決めましょう
さて、最初に書いた『マーケティングとは?』の答えです。私たちは『マーケティングは目的達成のためのツール・手段』と定義したいと思います。
例えば企業が問い合わせを増やしたい場合、リスティング広告を行うのも、動画広告を使うのも、SNS広告をやってみるのも、SEOを行うのも、Webサイトやランディングページを作るのも、チラシを使うの、もリアルイベントも、すべては『問い合わせを増やしたい』という目的があって、そのために選ばれたツール・手段です。目的を達成するために、何を使うのが良いのか?どう使うのが良いのか?を考え、実践する。その一連の流れをすべてひっくるめたものこそが『マーケティング』ではないでしょうか?
目的のための選択
目的のための行動
まず目的・ゴールのただしい理解があって、ゴールにたどり着くための手段・手法を選び、実践する。
含まれる・関わる一連の行動
これがマーケティングの正体です。
日常生活の中でも、何か目的があって行動する。『通勤電車で3両目に乗る』『ランチに日替わり定食を選ぶ』『コンビニに寄ってみる』…極論かも知れませんが、これらはすべて『マーケティング』的な考え方といえるのではないでしょうか。
まとめ
すべてはマーケティング
このように、企業が行うすべての業務・行動は『マーケティング』が基本となっています。
- 『目的のための選択』がマーケティング
- 『目的のための行動』がマーケティング
BtoB領域の場合は、まず『クライアント様の目的を明確にすること』がマーケティングのスタートであり、クライアント様の『最適』をご提案する近道となります。
弊社は最適を選ぶための『総合広告代理店』として、ご提案・実践を進めてまいります。まずはお気軽にお声がけください。
この記事を書いたライター
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