SEO『じゃない方』のハナシ
Webサイトへの集客を考える時、SEOはもはや外せないものになっています。
SEOとは、『Search Engine Optimization(検索エンジン最適化)』の略で、ユーザーが検索エンジンで検索した時に上位表示されるようにする施策のことを言います。
・・・とここまでは、既に知っている人も多いかもしれませんね。
でも、このページでは、『じゃない方』の。しかも、ものすごく大切なハナシについて、書いてみたいと思います。
目次
SEOはなぜ必要?
まちがえていませんか?SEOの目的は『上位表示』?
一般にユーザーは、検索結果画面で上位表示されているものから順にクリックし、リンク先のページを閲覧し、目的にマッチするページを探します。上位からクリックするので、SEOではクリックされる可能性の高い上位に表示することが良い。という考えが一般的なのです。
しかし、目指すべきは本当に『上位表示』なのでしょうか?
確かにユーザーは検索結果画面を上から順にクリックしていきます。上位に表示されていれば、多くのユーザーにページを見てもらうことができるでしょう。
しかし、ちょっと考えてみてください。上位表示することで多くのトラフィックを集めたとしても、結局CVしない・CVの可能性がないユーザーが増えるのであれば本末転倒ではないでしょうか?
検索は、ユーザーに何らかの『目的』があって行われる行動です。
ユーザーから見て望ましいのは『目的にマッチしたページ・求める答えが掲載されているページをすぐにクリックできること・求める答えにすぐにたどり着けること』です。SEOの本来の目的は『上位表示を可能にする』『広く・多くユーザーを集める』ではなく、『ユーザーの意思とのミスマッチを防ぐ(マッチしないユーザーにはクリックされない)』であるべきです。
上位表示することは『目的』ではなく、あくまでマッチしたユーザーとの接点を持つための『手段』に過ぎないのです。
検索エンジンは何をしている?
Googleは何の会社?
Googleは、その売上の約80%を広告から得ていることがよく知られています(参照:20年3月期Googleを傘下に持つ米持ち株会社Alphabet の決算資料)。
Googleは、検索サービ以外にも、GmailやGoogleカレンダーなど様々なウェブサービスを(多くは無償~低価格で)提供していますが、その狙いは利用ユーザー・滞在時間を増やし、広告収入を増やすことです。Googleはどのような『価値観』でランキングを行っているのか?根本的なGoogleの『考え方』を理解することは、頻繁に行われるGoogleの『〇〇アップデート』というランキング基準の仕様変更に左右されない安定した評価・ひいてはGoogleを利用しているユーザーへ安定して情報を届けることにつながります。
『10の事実』を知っていますか?・Googleの価値観
Googleは『Google が掲げる 10 の事実 』という、言わば企業理念のようなコンテンツを公開しています。
『10の事実』に書かれている内容を、それぞれSEOに当てはめて読みとくことで、Googleが目指している方向性(≒Googleの意思)を理解するヒントを得ることができます。
- ユーザーに焦点を絞れば、他のものはみな後からついてくる。
- 1つのことをとことん極めてうまくやるのが一番。
- 遅いより速いほうがいい。
- ウェブ上の民主主義は機能する。
- 情報を探したくなるのはパソコンの前にいるときだけではない。
- 悪事を働かなくてもお金は稼げる。
- 世の中にはまだまだ情報があふれている。
- 情報のニーズはすべての国境を越える。
- スーツがなくても真剣に仕事はできる。
- 「すばらしい」では足りない。
もちろんGoogleが公式に内容を説明している訳ではありませんが、例えば『3. 遅いより速いほうがいい。』はブラウザでの表示速度(読込速度)が早い方が良いということ、『4. ウェブ上の民主主義は機能する。』は、外部からのリンク・言及が多いサイト、利用者が多いサイト・ページが高く評価されるということのようです。
Googleのランキング評価要素は数100項目あるともいわれており、それぞれの重要度(重みづけ)も様々です。特に近年は機械学習やAI化などの影響もあり、上位表示のためには非常に多くの要素・データが複雑に関わっていますが、『10の事実』にマッチしているWebサイト・ページは実際に上位表示されているようです。
『ユーザーのため』の視点
『10の事実』の根本となるのは『ユーザーのため』の視点です。Googleは『ユーザーのため』のランキングを行っていますので、Googleの考える『ユーザーのため』の視点を理解すること・検索ユーザーの意思を深く考え、Webサイト・ページに落とし込むことが、ひいてはランキングに良い影響を与えることにつながります。
検索意図を考えよう
4つのクエリ・検索連動型広告でも基本は同じ
次に、実際の『検索』について考えてみましょう。検索を行う時、ユーザーは検索窓に何らかのキーワードを入力します。検索で実際に入力されたキーワードを『クエリ』といいます。実際の表示ランキング要素は、クエリとのマッチング以外にも様々な要素が関係していますが、まずはどのようなキーワードで検索しているか?検索クエリを詳しく知ることからはじめてみましょう。
SEOは広告以外の『オーガニック検索』を軸に語られることが大半ですが、検索連動型広告やハッシュタグ検索も基本は共通です。
Googleは、ユーザーが入力した検索キーワード(検索クエリ)を4つの意図で分類しています。4つに分類された検索意図ごとに結果表示画面の構成が違うことからもGoogleの意図を知ることができます。
Knowクエリ:
- ユーザーニーズ・目的:〇〇の意味・定義、仕組みなどを知りたい
- クエリの例:『SEO とは』『新型iPhone』など
- 特徴:CVまで『遠い』ユーザーが多い・広告表示されにくい
Goクエリ:
- ユーザーニーズ・目的:〇〇(場所・Webサイト)へ行きたい
- クエリの例:『神戸 ランチ』『大阪城ホール』『楽天市場』など
- 特徴:目的のWebサイト・(実店舗名の場合)店舗サイト・地図・ランキングサイトが上位表示されやすい
Doクエリ:
- ユーザーニーズ・目的:(〇〇について)やってみたい・行動したい・関連する必要な情報を知りたい
- クエリの例:『Zoom 使い方』『ぎょうざ レシピ』『バンジージャンプ』など
- 特徴:ノウハウ・実行するための情報などが掲載されたサイト。紹介動画が上位表示されやすい
Buyクエリ:
- ユーザーニーズ・目的:〇〇(商品名・商品カテゴリー名)を買いたい
- クエリの例:『〇〇駅 一戸建て』『中学受験 進学塾』『洗濯機 レビュー』『スマホ 安い』など
- 特徴:購入・CVの意図が明確なユーザーが多い・広告表示が多い
複合型もある・まずはニーズをを具体的に
4つのクエリは、明確に分かれているのではなく、実際には複合的な場合がほとんどです。まずは主となるユーザーニーズを具体的に考え、ランディングページや広告では、よりマッチする答えをユーザーにフィードバックすることを目指すのが良いのではないでしょうか。
まとめ・すべてはユーザーのために
SEOは、検索結果を無理やり・ムダにクリックさせ、Webサイト・ページへ誘導する目的のものではありません。この考えは、広告やランディングページでも基本的な考えはまったく同じです。
ユーザーが(顕在的・潜在的にかかわらず持っている『ニーズ』に基づき)CVまでたどりつく『邪魔をしない』『手伝いをする』発想がすべての基本と考えています。ユーザーが求める答えに、ストレスなくたどり着くための施策がSEOです。